欠けてるあなたが大好きです。
カランコロンッ。
「遅くなった。」
黒のレースがふんだんに使用されたワンピースを
着ているミユさん。
わたしのことを見つけて、眉をひそめる。
「この時間にいるってことは関係者ってことよね。
やっぱ同種ってこと?」
「同種…?」
同じ種類…?
なにが…?
「ごめんな、ミユ。
3日間だけの臨時バイトを頼んでるところなんだ。」
「はぁ?
謝るってことはこの子同種じゃないのに
ここでバイトするってこと?
ありえない。
ミユのテリトリーにいれないでよ!」
不機嫌度MAXなミユさん。
ショウキさんがいつもの丁寧な言葉でなだめるが、
落ち着く気配はない。
「かづりんは!あんたはいいわけ?」
睨みつけるような視線がカヅキさんに向けられる。
「3日間だけだから、
僕は何も言わないことにした。」
先程ショウキさんを褒めた時の
かわいいオーラは微塵もなく、
たんたんと言い放つ。
え…?
カヅキさんには
かわいいふんわりしたイメージしかないから、
別人のような言い方に内心とまどう。
会話の内容はよくわからないけど、
とりあえず歓迎されてないってことはわかった。