欠けてるあなたが大好きです。
「ってパスタ食べないんですか?」
気づいたらお出ししてから5分以上経ってる。
冷めてはないとは思うけど、
あったかい時のほうが美味しいに違いない。
「美冬ちゃんお皿もう一枚
持ってきてもらってもいいかな?」
「わかりましたー。」
パスタ用のお皿を持ってきて渡す。
伊藤さんは慣れた手付きで取り分ける。
そしてお2人が黙々と食べ始めた。
ドキドキする…。
初めてお客さんに出した料理。
Lead Sにふさわしくないものになってたらどうしよう…。
不安が心をゆっくり覆っていく。
「今日ってショウキくんいたっけ?」
「いませんよ。」
「え…?じゃあこれてんちょーさんが作ったの?」
「私が作りました。
お口に合わなかったですか…?」
気づくほど美味しくなかったのかと絶望感を抱く。