欠けてるあなたが大好きです。
「あ〜♡
も・し・か・し・て〜♪
咲雪ちゃんでしょー!」
「へっ?」
さらさら銀髪ヘアーの男の人がドヤ顔をしてくる。
髪に目がいってて気づかなかったけど、
この人も顔が整っている。
でもピアスが左右の耳に複数個ずつついてて、
ちょっと怖い。
「風越きゅんナイスタイミングだね〜。
…よっと。はいで〜きたっ☆」
銀髪ピアスイケメンさんが、厨房で何かをしている。
甘いにおいはこの人のせいなのかな。
「風越きゅんってなんすか。」
「風越きゅんはジト目攻撃をしてきた!
しかーし、ミス!
イブイブはかわしたっ!」
「…。」
フウくんがすたすた歩いて
わたしのいつもの席に座ってしまう。
無視していいのかな…?
でも1人で楽しそうだし、まぁいっか。
わたしもいつもの席に座っておこう。
「貴方〜にみち〜びか〜れて〜♪
初めて目にし〜たせ〜かい〜♪♪」
ついに銀髪ピアスイケメンさんは歌い始めた。
何この人。
自由の権化ですか。
フウくんはどう対処してるのか気になって見てみると、
ばっちりガンスルーしてスマホを触っていた。
あ、そういうもんなんですね。
わたしも制服のポケットからスマホを取り出そうとする。