欠けてるあなたが大好きです。
「お仕事、何されてるんですか?」
「カフェプランナーだよ〜。
ここもそうだし、あと有名なとこだと
sw-sw-sweetとかも…。」
「えぇ!?」
イブさんが言ってる途中で叫んでしまった。
sw-sw-sweet(スゥスゥスィート)は、
数年前にできたにも関わらず、
毎日毎日長い行列ができてる
超人気パンケーキ専門店。
わたしも一度だけ行ったことがあって、
Lead Sに来るまではわたし的カフェランキングで
トップのカフェだった。
こんな銀髪でピアスいっぱいの人が
デザインしたカフェだったなんて…。
あ、これ失礼だな。
「あ、咲雪ちゃん食べ終わった?
じゃあLead Sのメニューで好きなの1個作ってー♪」
「え…?」
「オムライスか、ナポリタンがいいな♡
ちゃんと代金は払うから安心してねん。」
「わ、わかりました…?」
「んじゃフウくんは開店準備ねー。」
オムライスかナポリタンなら、
ナポリタンでいっかな。
でもよくあのパンケーキの後に食べようと思えるな…。
厨房に向かおうとすると、
「あ。咲雪ちゃんこれつけてやってー。」
イブさんから手のひらサイズの機械を手渡される。
なにこれ。
「あ、俺がつけてあげるねっ!」
困惑したわたしの表情を読み取ったのか、
ひょいっと機械をとってわたしの左耳に取り付ける。
「よし。じゃあよろしくー。」
左耳に違和感を感じるけど、
気にしないようにして調理を開始する。