欠けてるあなたが大好きです。
カウンター席に座ってのんびりしていると、
カヅキさんがやってくる。
「美冬ちゃんお疲れっ!
バイトどーだった?」
「いい経験になりました。
おしゃべりは苦手って再認識しましたけど…。」
「そ~?美冬ちゃんとしゃべってた人、
みんな楽しそーだったよ?」
「でも皆さんから話しかけてくださったので…。」
カランコロンッ。
「いらっしゃいま…せ…?」
「あはは、美冬ちゃん動揺してる。」
スーツを着て
真面目そうなめがねをしている
イケメンさんが笑う。
「田中さん達も川嶋さん達も
ご来店ありがとうございます。」
「つづるさん!?」
「そーだよー。」
お客さん達に挨拶してるのを見て
やっと誰かわかった。
スーツとめがねで誰かわかんなくなるとは…。
「カヅキくん、フウくんは店閉めよろしくー。
裏来るときはノックお願いねー。
美冬ちゃんは一緒にかもーん。」
スーツ姿のつづるさんに呼ばれ、
大人しくスタッフルームへ行く。