欠けてるあなたが大好きです。
「間に合ってよかったよ〜。」
スーツのジャケットを脱いで、
ネクタイを緩めるつづるさん。
うーん。
ほんとに別人みたい。
「咲雪ちゃんお疲れー。
まずは着替えよっか。」
「わ、わかりました。」
つづるさんに背を向けてもらい、急いで着替える。
「終わりました。」
「よーし、じゃあ〜。」
つづるさんがかばんをごそごそし、
それなりに厚さのある紙束を出す。
「これ咲雪ちゃんにあげるね〜!」
「なんですか?これ。」
受け取りつつ質問する。
細かい文字がびっしり印刷された紙のようだった。
「これねー、論文。」
「論文!?」
論文って研究者が書いた難しいやつだよね?
え…?なんでこれ渡されるの?