欠けてるあなたが大好きです。
「彩陽さん、自己紹介。」
「自己紹介?」
「咲雪と初対面っすよ。」
「…あー!確かに!
そういえば写真と
アイツからの話でしか知らない!」
は、ハイテンション…?
てゆーかむしろよく写真と聞いた話だけで
仲良くなった気でいられるなぁ…。
「どうもこんにちは!
じゃなくてこんばんは!
花里彩陽でっす!
勝ち組サイコの28歳、
AURORAの女社長!
よろしくねっ☆」
「AURORAの女社長!?」
AURORAといえば、
『10代から死ぬまで愛用♡AURORAコスメ』
のキャッチコピーで有名な
超人気コスメブランド。
普段メイクしないわたしでも知ってる。
「咲雪ちゃん、卒業したらうち来てよ〜!
こんなかわいい販売員いたら倍速で売れるっ!」
ガチャッ。
スタッフルームへと続くドアから、
つづるさんが出てくる。
「あり?咲雪ちゃん来てたんだ〜。
バカ彩陽がうるさくなったのは
咲雪ちゃんが来たからなんだね。」
「おいこら!誰がバカ彩陽だっ!」
「はーい、今日は彩陽込みでやるから
みんなテキトーに座ってね〜。」
わたしはいつもの席に、諒くんは向かい側に座る。
店内にいるのはつづるさん、彩陽さん、
カヅキさん、フウくん、そしてわたし。