欠けてるあなたが大好きです。

ミユさんはともかく…。



「ショウキさんは…?」



「ショウキにはミユ引きずってでも

 連れてくるようにって言ってある〜。」





ミユさん、ストライキでもしようとしてるのかな。



そしてあの爽やかで優しいショウキさんが

ミユさんを連れてこれるとは思えないんだけど…。






そう思っていた矢先。



カランコロンッ。


「お待たせしましたー。」


爽やか笑顔のショウキさんが現れた。




ほ、ほんとにミユさん連れてる…!





「じゃあ定例会始めまーす。」



ショウキさんとミユさんが席についたところで、

つづるさんが立ち上がる。





「まずは咲雪ちゃん以外に向けて報告。

 俺は咲雪ちゃんをこちら側に入れることにした。」




「「はぁ…!?」」


今の声は…カヅキさんとフウくんだ。




「だからお前ら、素で話せ。」


威圧感のある低い声。


睨むような瞳に、下がりきった口角。



つづるさん、こんな怖い表情できたんだ…。





「つづるさん、マジで言ってるんすか。」



「当たり前だ。

 咲雪ちゃん、宿題のやつ、

 どんなことが書いてあった?」


「宿題…?」



フウくんがつづるさんの言葉に

逐一反応して声を出す。






わたしはフウくんの方を見ないように、

いや、スタッフさんの方を見ないようにしながら、

かばんからルーズリーフを取り出す。




この時にはもう、つづるさんの意図が、

そしてスタッフの共通点がわかっていた。





だからわたしは、

あえて決定的な言葉は最後に言おう、と

特徴から口にする。





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