欠けてるあなたが大好きです。
「こなへん〜?ここは真っ直ぐ行っていー?」
「あ、はいっ。
2つ目の信号で右折でお願いします。」
「ほいほーい。」
「もう少し行ってもらって…。ここです!」
車が止まり、乗せてもらったお礼を言って降りる。
すると、うぃーんと音を立てて窓があく。
「咲雪ちゃん、連絡先交換していい?」
「はい!」
スマホを取り出し、彩陽さんに手渡す。
少し経ってスマホが返ってくる。
「2人でごはんとか行こ〜?」
「ぜひ!」
「日時はこっちで指定するね。
仕事忙しいからさ…。」
「わかりました!
早めに決めてもらえたら
夜ごはんとかでも大丈夫ですので…!
楽しみにしてます。」
「あ〜ん、もう咲雪ちゃんかわいすぎ〜!
次会うときには敬語なしで話そうね♪」
「えっ?」
「敬語ってなんか寂しいよね。
ま、寂しいってなにか知らないけど!」
けたけた笑ってる彩陽さん。
笑い事じゃないと思うんだけどなぁ…。
「ま、そーゆーことで!
次会うとき敬語だったら
無理やりコスプレさせちゃうんだからっ。」
「えぇ…!」
コスプレなんて似合わないから嫌だよ…。
でも若くして社長さんになるほどの方にタメ口なんて…。
「じゃあね〜!早めに連絡する♪」
彩陽さんは颯爽と去っていった。