欠けてるあなたが大好きです。
「Mioriって聞いたことねー?」
「うーん…。
聞いたことあるようなないような…。」
「咲雪。もうちょい知識つけろ。
お客さんとの話で出てくるかもしれねーだろ。」
「はぁ〜い…。」
ぷちお説教を受けてからは他愛のない話をして、
気づいたら学校周辺についていた。
「学校前で止めるから、ぱぱっとおりてね〜。」
「はい!」
校門の前で穏やかに車が止まり、
わたしと諒くんは車からおりる。
試作会用の荷物は2つとも諒くんが持ってくれた。
「ありがとうございました!」
「いえいえ〜!またねん♪」
シルバーのプリウスが走り去っていく。
「行くか。」
「うん!」
わたしたちは調理室へ向かった。