欠けてるあなたが大好きです。
「咲雪ちゃんそれなに〜?」
明日香ちゃんが少し遠くから声をかけてくる。
「これ?
バイトの先輩の…
友達が用意してくれた資料…だよ〜!」
多分合ってるよね?
ちらっと諒くんを見ると、
興味なさそうな顔をしていた。
「へ〜!見てみたい!」
そう言われるけど、
これって見せていいやつなのかな…?
イブさんは仕事でこのパンケーキと
関わってきたはずだし、
なんなら専門店である
sw-sw-sweetのレシピかもしれない。
「…諒くん。」
「どーだろーな。
まぁ見せないほうが無難じゃね。」
「ごめんね、明日香ちゃん…。」
「なんでダメなの?」
「実はこれ、プロの人っていうか
仕事にしてる人が用意してくれてて…。」
「へ〜!どんな人なの?」
「カフェプランナーやってて、
駅前のsw-sw-sweetとか手がけてるんだって。」
「え…?イブ…?」
「うん。
明日香ちゃんが知ってるなら
やっぱりあの人有名なんだね。」
「…えぇぇぇええ!
イブと知り合いなの!?
会ったことあるの!?」
「え、うん。
さっきもここまで車で送ってもらったよ。」
「えぇぇぇええ!」
…明日香ちゃんが壊れた。
今何か言ったら頭パンクさせちゃいそうだから
代行マシーン…じゃなかった、
料理班の人に混じって作業する。