欠けてるあなたが大好きです。
料理が完成して、ミユさんに声をかける。
「ミートソース、ナポリタンできました〜。」
「はぁ〜いっ!お待たせ♡」
キャラメルソースみたいに
ねっとりくっつきそうなあまい声で返事をされた。
どこから出てるんだろう、あの声。
そんなことを思っていると、
「ミユ様あの方はどなたですか?」
「美冬ちゃんだよ〜!
最近つづるんが拾ってきたんだ☆」
「あの…!
ミユ様と美冬ちゃんのツーショ
見てみたいですっ!」
「「え?」」
若い男性客の言葉に、
ミユさんとわたしの声がハモった。
そして他のお客さんも期待の声をあげる。
あ、これ、やらないという選択肢がないやつ。
「鈴木さんひどぉい!
ミユだけじゃ物足りないんだっ?」
ぷくっと頬をふくらませて
怒ってますよアピールをしている。
「でも美冬ちゃんもかわいいから…!
ねっ、お願い!」
「むむむ…。」
困った顔もかわいいって、
何なんですかこの生き物。
わたしもピンクブラウンみたいな
かわいい色に髪を染めたらかわいくなれる?