欠けてるあなたが大好きです。

「美冬ちゃんっ。

 お客様のリクだから手伝って?」


首を傾げてうるうるとした大きな瞳で

わたしを見てくる。




「わかりました。」


厨房から出て、ミユさんの隣に行く。



すると、急にミユさんがぎゅっとハグをしてきた。




えっ…えぇぇ!?


な、なに!?



あたふたしていると、

耳元でぼそっと声が聞こえる。


「合わせて。

 あたしの足ひっぱるとかありえないから。」



ひぃ…!


低い声に怯む。




けどそれを顔に出したら

後でキレられそうなので

ショウキさんばりの爽やかな笑みを浮かべる。


実際には爽やかかどうかはわかんないけど。




「やば…♡」



「2人は仲良しなんだね〜!」



「えへへっ☆」


わたしの頬にミユさんの頬が

擦り寄せられるんじゃないかってくらい近い距離。




なんか複雑な気分…。




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