欠けてるあなたが大好きです。
「プール行こうよ、プール。」
カヅキさんがスマホをいじりながら提案する。
「カヅキさん、意外に乗り気…?」
「咲雪ー。
心の声、口に出てるぞー。」
「オレ出かけるの好きだもん。
ナンパされるのも
貢いでもらえるのも快感だよね〜!」
想像してテンションが上がったのか、
かわいいキャラの時の高めの声になる。
言ってる内容はまったくかわいくないどころか
ひどいことだけど。
「ほら、ここは?
焼けたくないミユにもぴったり!」
先程スマホをいじってたのは
ネット検索をしていたかららしい。
つづるさんが画面を覗き込んでつぶやく。
「マキアクアパーク?」
「あーちゃんのことだから
真木財閥も知り合いにいるでしょ?
そこで融通きかせたら余裕でしょ?」
「咲雪。」
向かいに座っていた諒くんが
スマホの画面を見せてくれる。