欠けてるあなたが大好きです。
「…すっくな。」
「諒くん!」
わたしの左後ろから諒くんが現れた。
朝と同様のかっこうで、相変わらずかっこいい。
「いろんなのが食べたいんだもん。」
「バイキングなのに贅沢だな。
ふつー元取る為に暴食するもんだろ。」
「だって取っても食べ切れないのは料理に悪いよ…。」
「料理に悪い、ねぇ。咲雪らしい。」
諒くんは隣でわたしの何倍もの量の料理を
お皿2つに盛っている。
しかもなぜか中華系ばっか。
麻婆豆腐に水餃子、小籠包にエビチリ。
他にもポテトとかからあげとかものってるけど、
お皿のほとんどが中華に染まっている。
どう見てももうお皿にはのせれないのに、
わたしが取り終わるのを待っているのか、
お皿両手にわたしの隣にいてくれる。
…やっぱり優しいよなぁ。
意識しないと感じられないような小さな気遣い。
それを無意識にやってのける諒くんはずるいと思う。
「ありがとう。」
「…は?なにが?」
「ふふっ。諒くん好きだよ。」
「え?あ、あぁ。」
何だコイツって顔されちゃった。
そんな表情もかっこよく見えるのは、
諒くんの顔が整いすぎているから?
それともわたしの恋心が大きくなりすぎているから?