欠けてるあなたが大好きです。
部屋に戻ると、ドアを開いた先に
彩陽さんが仁王立ちしていた。
「咲雪ちゃ〜ん?
何があったか教えなさーい!」
「ひゃっ!」
がばっと抱きつかれ、部屋の奥へと連行される。
「津々留に聞いたら本人に聞けって言われたの!
だから私は咲雪ちゃんから聞く権利がある!」
「どういう理屈…。」
「それでそれでー?
何がどーなってあーなったの!?」
「えっと…。」
わたしは諒くんに告白したこと、
付き合うことになったこと、
そして自分の心の中の大部分を占めている
"好き"って感情についてを話した。
彩陽さんはわーきゃー叫びながら
わたしの言葉を聞いてくれた。
恋バナのあとは広すぎるお風呂につかったり、
お母さんに連絡したりして、旅行の1日目を終えた。