欠けてるあなたが大好きです。
諒くんだ!
すぐにダブルタップしてアプリを起動させる。
おはよ、とただ一言のメッセージに、
勝手に顔がにやける。
返事しようとアプリを開くと同時に、
新たなメッセージが届く。
そのメッセージに書いてあるように部屋から出ると、
廊下にはラフな格好の諒くんがいた。
バスケ部の助っ人のときの服と同じかも。
「…はよ。」
「おはよう!」
そう言って歩き始める諒くんについていく。
エレベーターで下の階に降りて、また歩く。
たどり着いたのは自販機がある多目的スペース。
ソファに腰を下ろす諒くんの隣に座る。
30cmくらい間を空けて。
「咲雪、パジャマかわいいんだな。」
「あ…!」
そういえばパジャマのまんまだった…!
髪もぼさぼさだし…!
急いで髪に指をとおすけど、時すでに遅し。
「…諒くんは寝起きでもかっこいいんですね。」
「なんですねてんだよ。」
余裕のある笑みを浮かべる諒くんは、
寝癖もなく朝から完璧。
猫目でいつもより野生的な気はするけど、
それもかっこいい要素ってずるすぎる。