欠けてるあなたが大好きです。
「つかなんでこんな時間に起きてんの?」
「昨日お昼寝したから目が覚めちゃって…。」
「今日は寝落ちすんなよ?」
「しないもん!」
「咲雪スライダーは乗れるか?」
「ジェットコースターよりは好き。」
「いやそれわかりにくい。
じゃあ今日はスライダー乗ろうな。」
「…2人で?」
「2人で。」
わたしの頬が緩むのを見た諒くんは、
ごろんと寝転がった。
わたしの膝を枕にして。
「え…?」
「オレもーちょい寝たいの。」
「で、でも…!なんで膝枕…?」
「気にしない気にしない。
ってことでおやすみ〜。」
目を閉じて動かなくなる諒くん。
こ、これどうしよう…。
近い距離にいられるのは嬉しいし、
気を許してくれてるのがわかって
幸せな気持ちになるけど、恥ずかしい。
ここ、誰でも使えるスペースだし。
朝早いとはいえ誰か来ちゃうかも…。
ドキドキとうるさい心臓。
これは諒くんに対して?
それともこの状況に対して?
きっとどっちにもだな。