欠けてるあなたが大好きです。
「あ、俺も入れて〜。」
「え?」
「いや、彩陽絶対起きてないし起きないから。」
「あー、なるほど?」
つづるさんと一緒に部屋に入ると、
予想通り彩陽さんは爆睡していた。
…ベッドから落ちたあの時のままで。
「咲雪ちゃんは着替えたりしてきな?
朝ごはん食べるから普通の服にね。」
「はーい。」
わたしが見てると起こしづらいのかな?
どんな起こし方をするのか気になるけど、
服を持って脱衣所へ行った。
着替えてる最中、
特に大きな音とか声とかは聞こえなかった。
わりとゆっくり着替えて、部屋に戻る。
「津々留〜。だっこ〜。」
あ、帰ってきちゃいけなかったやつ?
彩陽さんがつづるさんに両手を広げて
だっこをせがんでいた。
「はいはい。」
つづるさんは軽々と彩陽さんを抱き上げ、
わたしの方を見る。
「咲雪ちゃんごめんね。
彩陽、朝が弱いんだ。」
「みたいですね。」
抱き上げたまま普通に会話してくるつづるさん。
恥ずかしさはないのだろうか。
…なんてLead Sの住民には聞くだけ野暮だね。
わたしが唯一の恥ずかしいという感覚を
持ってたみたいだけど、諒くんのせい?おかげ?で
スキンシップに対する恥ずかしさはなくなってしまった。
諒くん以外に対しては恥ずかしいし嫌だけどね。
「咲雪ちゃん、諒くん達の部屋に行ってくれる?
彩陽のこといろいろしなきゃいけないから。」
「ショウキさんに迷惑じゃないですか?」
「アイツは嫌なら勝手に部屋移動するヤツだから
気にしなくていいよ〜。」
「そ、そうですか…。」
つづるさんの命令通りに
諒くんショウキさんペアの部屋に行く。