欠けてるあなたが大好きです。
「じゃあ…。」
ショウキさんの声が聞こえ、
無意識にショウキさんの方へ目をやる。
「幸せってなんですか?」
そう質問をするショウキさんの瞳は無機質で、
なんの色も持ってなかった。
でも絶望してる、とかそんな様子はない。
普通に疑問に思ってる、そんな感じだ。
「幸せ…?」
何かって聞かれると、なんだろう。
考えようとした瞬間、
タオルを頭にかけた諒くんが現れた。
「おー、咲雪。
…ってどうした?」
「な、なんでもないよ。」
さすがサイコパス。
少しの表情の違いが全部ばれる。
顔に出さないようにしてたのになぁ。
再びショウキさんに目を向けたときには、
彼は既にいつもの爽やか笑顔に戻っていた。
「朝ごはん、行きましょうか。」
「はーい。」
「…。」
わたしは返事をせず、無言でうなずいた。