欠けてるあなたが大好きです。

朝ごはんを食べ、部屋に戻って

水着に着替えてアクアパークに来た。



ごはんの最中、幸せについて考えていたせいで

諒くんに何度もどうした?って聞かれちゃった。




でも着替えてから合流した諒くんは、

笑顔で楽しもうなって言ってくれた。





人との付き合いに関して完璧すぎるんだよ。



聞かれたくないんだってわかったら

触れないようにしてくれるとか、優しすぎか。





手をつないで流れるプールに向かう。




手を離し水に入ると、また指を絡めてくれる諒くん。



「どうして手繋いでくれるの?」


「嫌だった?」



「いや、嫌じゃないけど…。

 なんでなのかなって。」


「…カレカノって手繋ぐもんじゃねーの?」


あぁ、なるほど。



カレカノ=手を繫ぐってイメージがあるから

ずっと手繋いでくれてるのね。





「そういうの、しなくていいよ。」


「そういうの?」



「なんていうのかな…。

 諒くんが考えるカレカノの義務、みたいな?」




「…なんでだ?嬉しくないのか?」


「いやすっごく嬉しいよ。

 でも、なんか疲れちゃいそう。

 諒くんにだって気分はあるでしょ?」


「あぁ。」



「だったらきっと

 手を繫ぐような気分じゃないときだってあるはず。

 でも諒くんは優しいから、

 どんなときでも義務だからってやってくれそう。」


「なるほどな。じゃあ…。」


手を離しちゃう諒くん。



うーん。


自分から言ったけど、実際離されると寂しい…。




「泳ごうぜ!」


そう言って笑顔を見せてくれる諒くん。



「うん。」


返事をしてから、

昨日のようにちゃぷんっともぐって水を蹴る。



すいすい泳ぎながら気づいた。


手繋いでたら泳げないから離したんじゃ…。



水の中でにやけてしまった。



やっぱり諒くんかっこいいな。




ぷはぁっと顔を出し、泳ぐのをやめて歩き出す。


そうすると当たり前かのように

隣に並んでくれる諒くん。



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