欠けてるあなたが大好きです。

あ、そうだ!


「あ、あの!」


ざわざわした教室に向かって勇気を出して叫ぶ。



「今日差し入れ持ってきました!」



これで静かになるかな…?


少なくとも話題が変わればいいな…。



そう思って言うと、

みんなの顔がぱぁぁあっと明るくなった。



わたしは急いで琉奈ちゃんの近くにおいた

リュックから紙袋を3つ取り出して、

琉奈ちゃん、諒くん、朔くんに手渡す。



「クッキーです。

 適当にバラけて食べてください!」



よかった。


みんなクッキーに夢中でブーイングが消えた。




わたしは琉奈ちゃんのところに行って

1つだけクッキーをつまむ。


大量生産目的だったから

超シンプルなミルククッキーだけど、

ちゃんといい感じの出来。



多めに作ったつもりだったけど

結構人がいたからすぐになくなってしまった。



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