欠けてるあなたが大好きです。

「「いらっしゃいませ〜。」」


わたしとフウくんでお客さんを席に案内する。



つづるさんはカウンター席で

にこにこのんびりしてる。




暑い中わざわざ並んでくれていたお客さんを

すべて案内したところで、

次は注文をとりにいく。



ボタンでスタッフを呼べるんだけど、

常連さんは基本スタッフの名前を呼びつける。




今は言わずもがなミユさんがいないから、

女の人しかお客さんがいないため、

フウくんばかり呼ばれる。




手伝いたいけどわたしが行っても

お客さん満足しないだろうからなぁ…。



注文されたドリンクを作ろうかと

厨房に体を向けた時。


カランコロンッとドアが開いた。



「いらっしゃいませ。」


あれ?


この人どこかで見たような…?



そのお客さんは背が高くすごく綺麗な男の人だった。



「お、きたきた。

 美冬ちゃんその子俺の客だから〜。」


「あ、そうなんですね。」



綺麗な人はつづるさんの隣に座る。


今度こそドリンクを作ろうと思って厨房に向かうと、

フウくんがけだるげにドリンクを作っていた。





だめだ。


けだるげなのがかっこよさを倍増させてる…!



って見とれてる場合じゃなかった!




「フウくん、わたしもやる。」


「ん。

 じゃあアイスミルクティーの

 キャラメルソースお願い。」


「はーい。」



氷をグラスに入れて、ミルクティーをそそぐ。


その上に甘さ控えめの生クリームを浮かべて

最後にキャラメルソースをかける。




できたものをフウくんが持っていくであろう

おぼんにのせる。




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