欠けてるあなたが大好きです。
看板には"世界のスイーツ試食会"と
ゴシック体で書かれている。
スイーツ!
ぴくっと体が反応してしまった。
そのまま諒くんと手を繋いで入っていこうとすると、
「招待券の確認を行いまーす。」
と女の人が手を差し出してきた。
招待券なんて持ってないよ…?
諒くんを見るとズボンのポケットから細長い紙を出す。
「はーい、ごゆっくりお楽しみくださ〜い。」
紙はそのまま女の人が回収した。
中に入るとスーツを着た若い人が複数人と、
パティシエらしい服装の人たちと、
甘い香りを振りまいているスイーツが。
「なんで持ってるの?
てゆーかこれわたし来てもよかったの?」
「イブさんにもらった。」
「そうなんだ。」
「世界的に有名なスイーツブランドが
来てるんだと。
どれ食べても無料なんだし
早く食おうぜ!」
ぐいぐい手を引っ張られて近くのテーブルにつく。