欠けてるあなたが大好きです。
「あれ?
なんでおんなじとこに突っ立ってんの?」
「あ、おかえり…?」
「座れよ。」
諒くんは勉強机にお茶をのせたトレーを置き、
机の横から折りたたみ式のテーブルを出してきた。
カーペットに座ればよかったのか。
諒くんが出してきたテーブルに向かって
ちょこんと座る。
「なんか部屋に咲雪がいるって変な感じだ。」
「わたしは諒くんの部屋がイメージ通りで変な感じ。」
「なんでイメージ通りなのに変なんだよ。」
ほんの少しだけ笑ってる諒くん。
きっとわたし相手だから
表情を作る必要がないと思ってるんだろうな。
信頼されてるみたいで嬉しい。