欠けてるあなたが大好きです。
話が終わったようなので帰ろうとしている時、
あることを思い出した。
「そういえば招待券ありがとうございました。」
「招待券?あー、あれか〜。」
「とってもおいしかったです。
普段食べられないようなものばかりで…!」
「俺は夕方に行ったんだけどさぁ、
咲雪ちゃんが有名になってて笑ったわ〜。」
「有名…?」
「めちゃくちゃかわいい黒髪少女が
熱心に話を聞いてくれたって
どこのブースでも言われたよ?」
「わたし普通の顔なので
それはわたしのことじゃないです。」
「でもその黒髪美少女ちゃんと
一緒にいた男が俺に招待されたって。」
「でもわたしじゃないです。」
あれ?
イブさんが苦笑いして固まっちゃった。
なんでだろ?
「…まぁ楽しんでくれたならよかったよ。
俺は仕事に戻るねん!」
「はい。煌友祭で会えるの楽しみにしてます。」
「んじゃばいびー☆」
イブさんは自分の家のように従業員専用ドアに入っていった。
わたしも帰ろっと。
女の子のきゃっきゃっと楽しそうな声を聞きながらsw-sw-sweetから出たのだった。