欠けてるあなたが大好きです。

「…お疲れ様。」


「咲雪、テーピングできるだろ?

 後でしてくれねぇ?」



「ばーーーか。」


なんでわたしが

テーピングできるの知ってるんだろう、とか。


怪我してたくせに、

きっと今も痛いくせにかっこつけてやんの、とか。



いろいろ思ったけど、

今言うのは違う気がして心の中にしまっておいた。




ちなみにテーピングは

運動部に差し入れをするときに

怪我した人がいたら手助けができるかな

って思って本を読んだり

ネットで調べたりして覚えた。




「とりあえず教室戻るぞ。」


少し話をしていただけなのに、

周りには誰もいなくなっていた。



行動早っ!





急いで教室に戻ると、

ドアを開けた瞬間にみんなが歓声をあげた。



な、何事…!?


「さすが実行委員!!」


「体育祭の方も強いとかやばいよね!」


諒くんが気にせず中に入るから、

つられて教室内に入る。




見ると教壇に朔くんと水谷くんが立っていた。



「リョウ達もこっちなー。」


朔くんに言われて教壇に上って諒くんの隣に立つ。



「んじゃ改めましてー!

 おれ達実行委員は!

 全員決勝進出を成し遂げましたー!」


パチパチパチパチ…!


朔くんがクラスに向かって高らかに言う。



確かに言われてみれば

朔くんも諒くんもバスケで優勝したし、

わたしも水谷くんもゲートボールで決勝進出した。




実行委員は煌友祭の2・3日目の

文化祭パートを頑張る為に設置されるから、

体育祭パートで活躍することは珍しい。



「先程勝手に集計させていただきましたが、

 さすがに3年の2クラスには負けていましたが

 現時点で全体の3位でした。」


「おぉっ!」



真ん中より上だといいなって思ってたけど、

トップ3に入ってるとは…!



「最終的には1番獲ろうな!」


諒くんがかっこよく宣言して、

みんながおぉー!と叫ぶ。








煌友祭初日、無事に終えました!





< 317 / 357 >

この作品をシェア

pagetop