欠けてるあなたが大好きです。
前座った時と同じ席に座る。
「ご注文はどうしますか?」
にこにことわたしの近くに立っている。
他にお客さんがいないから、
待っていてくれるみたい。
「んー、ごはんものでオススメありますか?」
「僕はこのミートソースパスタか
こっちのオムライスが好きです。」
「じゃあミートソースパスタお願いします!」
「かしこまりました。」
ショウキさんがカウンターの奥にある厨房に行く。
すると、それと同じタイミングで
壁と同じ色の目立たないドアから
つづるさんと風越くん…フウくんが出てきた。
「お、咲雪ちゃんじゃーん!
さっそく来てくれたんだね〜。」
「いらっしゃいませ。」
2人にぺこっと会釈する。
「今日は木曜だから店は早く閉めちゃうけど、
スタッフ全員揃うから楽しみにしててね〜。」
「閉めるのに揃うんですか?」
「全員で会議的なことするからね。」
「会議…?」
「まぁみんなとおしゃべりするだけだから、
堅苦しいものではないんだけどね〜。」
へらへら〜っと教えてくれるつづるさん。
なぜか隣にいるフウくんは苦笑いしている。