欠けてるあなたが大好きです。

対して諒くんは元々呼ばれるのがわかっていたのか

平然とステージに上がってきた。


そして何も言わないままわたしの腕から

トロフィーを受け取ってくれる。


小声で頑張って話せよ、と言い、わたしの隣に移動した。


マイクを受け取り、ようやく落ち着いた心で話し始めた。



『えっと…。優勝できて嬉しいです。

 わたしなんかが実行委員長に推薦されちゃって

 困惑しましたが、一緒に実行委員を

 やってくれたみんなや

 すごく協力的なクラスメイトの力があって

 こんな良い結果になりました。

 ありがとうございました…!』


時差があったけど、

胸に広がった喜びがわたしを笑顔にさせる。



満面の笑みでお辞儀をしてマイクを返した。




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