欠けてるあなたが大好きです。
At School ~欠けてるあなたが大好きです。~
「咲雪。」
閉会式も終わって
本当の本当に終わってしまった煌友祭。
でも優勝できたし
なぜかMVPにも選ばれちゃったしで
あんまり寂しい気分にはならなかった。
「諒くん!お疲れ様。」
声をかけてくれただけなのに頬が緩む。
わたしも諒くんも最後の実行委員のお仕事として
教室の後片付けの確認をしていたところなんだ。
結局最後までクラスメイトは協力的で、
朔くん中心にあっという間に教室が元通りになった。
クラスメイトも朔くんも帰って、
わたし達も確認をしたら帰れるの。
「いつまでその格好してんの?」
「…え?」
諒くんに指摘された気づいた。
そういえばずっと白猫ワンピースのままだ!!
もういろいろ目立ちすぎて忘れちゃってた!
「き、着替えてくる!」
「ダメ。」
ぱしっと腕を掴まれた。
「なんで!
諒くんはクラTじゃん!せこい!」
「じゃあオレが着替えてくるから。
待ってて。」
「え…?」
「ちゃんと待ってろよ!」
まさか諒くんが着替えてくるなんて
言い出すとは思わなくてきょとん、と
していたら諒くんが立ち去った。
てゆーか諒くん何に着替えるの?
制服のシャツ?
よくわからないまま教室で待っていたら
衣装に着替えた諒くんが戻ってきた。