欠けてるあなたが大好きです。
カランコロンッ。
勝手にドアが開いた。
「お、ミユ。遅かったな。」
白いゴシック調のワンピースを身にまとった
お姫様みたいに綺麗な女の人が入ってきた。
「何この子。
つづるん、新しく雇ったの?
この子もあたしたちと同種?」
「いや、今から帰るお客さんだよ。」
「ふ〜ん。あたしミユ。
ま、ミユは男性客にしか対応しないけどね。」
わたしの方を見ながら冷たく言い放つ。
ピンクブラウンのふわふわの髪を揺らしながら
わたしの横を通り過ぎる。
ポメラニアンのようなかわいさを持つ彼女が、
冷たい態度をとってきたことに動揺してしまった。
何も言えずにとまどっていると、
「咲雪、帰っていいよ。
ミユさんは相手によって態度変える奴だから、
あんま気にしないで。」
「わ、わかった…。」
フウくんの言うとおりに気にしないようにして
Lead Sから家に向かったのだった。