欠けてるあなたが大好きです。
差し入れ以外の自分の荷物を
体育館の出入り口に置いて、中を覗く。
うちの学校のバスケ部は
片面を男子、もう片面を女子が使っている。
わたしが覗いたドアは男子側。
あ!ほんとに諒くんがいる!
軽々と目の前にいる相手を抜いて、
シュートを決めていた。
か、かっこいい〜!
無邪気に笑う諒くんの殺傷力はハンパじゃなかった。
ビーーーッ。
タイマーの音が鳴り響く。
「おっし、休憩しよっか〜。」
「給水ターイム!」
男子のキャプテンと、女子のキャプテンが
ほぼ同時に叫ぶ。
みんなが一斉に水筒とタオルに向かって歩いていく。
そんな中で、
1人だけわたしの方に来る人がいた。