欠けてるあなたが大好きです。

数分たって部員の皆さんが

わたしを囲むように並ぶ。




フローラルな香りや

爽やかなミント系の香りが

わたしの鼻をくすぐる。





「え、えっと…。

 今日はマカロンを作りました。

 いちごと抹茶とレモン味です。

 ピックで刺して食べてください。」




ピックが入ったケースと

マカロンが入ったバスケットを

部長さんにそれぞれ渡す。





「「「いただきます!!」」」


みんなおいしそうに食べてくれる。



諒くんも食べてくれてるようだ。




「めちゃうま〜♡

 さゆはこれ食べたの?」


幸せそうな表情の琉奈ちゃんが

マカロンをもぐもぐしながら聞いてくる。




「ううん。

 みんながたくさん食べたいかなって。」


「「咲雪ちゃんの分残せー。」」


「「「はい!」」」


男女各部長がすぐに叫び、部員全員が返事をする。




わたしはいつでも作って食べれるから

別にいいのに…。


申し訳ない気持ちになる。



でも、この人数に圧倒されて何も言えない。






< 47 / 357 >

この作品をシェア

pagetop