欠けてるあなたが大好きです。
数分たって部員の皆さんが
わたしを囲むように並ぶ。
フローラルな香りや
爽やかなミント系の香りが
わたしの鼻をくすぐる。
「え、えっと…。
今日はマカロンを作りました。
いちごと抹茶とレモン味です。
ピックで刺して食べてください。」
ピックが入ったケースと
マカロンが入ったバスケットを
部長さんにそれぞれ渡す。
「「「いただきます!!」」」
みんなおいしそうに食べてくれる。
諒くんも食べてくれてるようだ。
「めちゃうま〜♡
さゆはこれ食べたの?」
幸せそうな表情の琉奈ちゃんが
マカロンをもぐもぐしながら聞いてくる。
「ううん。
みんながたくさん食べたいかなって。」
「「咲雪ちゃんの分残せー。」」
「「「はい!」」」
男女各部長がすぐに叫び、部員全員が返事をする。
わたしはいつでも作って食べれるから
別にいいのに…。
申し訳ない気持ちになる。
でも、この人数に圧倒されて何も言えない。