欠けてるあなたが大好きです。
「今日はいちごじゃねーんだな?」
諒くんがからかってくる。
「チョコだっておいしいんですー。」
「チョコの天使に改名するか?」
「しません!
そもそも天使じゃないし!」
諒くんをにらみつける。
諒くんは目をぱちぱちしてから笑いはじめた。
「それにらんでるつもり?」
涙を目元ににじませるくらい笑っている。
ひどい!
にらむのはあきらめて
頬をふくらませながらカップケーキを食べる。
ちらっと諒くんを見ると、
なぜかカップケーキをひとつ残して
袋をしまおうとしていた。
「…食べないの?」
「あとで食う。」
「ふ〜ん。」
全員がカップケーキを食べ終わると、
ちょうどいい時間だったのでバスに戻った。
集合時間の5分前くらいに
学年全員が集まったようで、バスが発車する。
わたしは思ってたより疲れてたみたいで、
気づいたら寝ていた。
学校にバスが到着したときに
琉奈ちゃんに起こしてもらって、
いつもの帰路についたのだった。