欠けてるあなたが大好きです。
メニューを開き、今日はなににしようかと悩む。
最初の目標だった全メニュー制覇は
もう達成しちゃって、逆にどれにしようか迷う。
どれもおいしかったからなぁ…。
おいしそうなメニューの画像を見てると、
口の中にそれぞれの味がよみがえってくる。
「さーちゃん決まったぁ?」
手が空いたのか、カヅキさんがぴょこっと現れる。
「どれもおいしかったから迷っちゃって…。」
「じゃあじゃあ〜!」
カヅキさんがわたしの背後に立って
わたしの肩越しにメニューを見始める。
「ボクのおすすめはこれとこれ〜♪」
カヅキさんの腕がわたしの右肩からのびて、
メニューを指差す。
ち、近くない…?
カヅキさんの体温が感じられるほどの距離。
気になってカヅキさんの話が頭に入ってこない。
「…ちゃん?さーちゃん?」
先程メニューを指差していた手で
わたしの右肩をぽんぽんとたたいてくる。
「か、カヅキさん…。近いです…。」
「…あ。
そーいえばさーちゃん近いのだめなんだっけ?
ごめんね!」
少し離れて謝ってくれるカヅキさん。
「でもさーちゃん
いいにおいするから
つい近寄りたくなっちゃうんだよね♪」
「…え?」
「カヅキ、見た目的にはセーフですけど
年齢的にはアウトです。
セクハラで訴えられても知りませんよ?」
会話が聞こえていたのか、
ショウキさんが注意する。
「えへへっ。
さーちゃん反応がかわいいから
ついからかっちゃうんだぁ♪」
悪気のない笑顔を見せられる。
きっと自分のかわいさを自覚してるんだろうなぁ。
かわいい笑顔のせいでにくめない。