欠けてるあなたが大好きです。
クラス委員長が先生に頼まれて場をしきる。
「まずは実行委員を決めたいと思います。
3人から6人程度選出します。立候補する方いますか?」
シーン。
実行委員はクラスをまとめなきゃいけないのに加えて
責任を負わなきゃいけない。
わたしたち高2は本気で優勝を狙いにいくため、
企画のコンセプトから人事まですべてが責任重大なのだ。
だから誰もやりたがらない。
ちなみにクラス委員長は
内申稼ぎで立候補された方なので
忙しくなる実行委員はやらないらしい。
「じゃあ推薦で決めますか。
ここで名前を言ってもらうのもアリですが、
それだと発言力によって差が出るので
記名投票式にします。」
たんたんと進めていく。
どこからか出てきた小さな紙が配られ、
推薦する人の名前を書くように言われる。
「ちなみにですが、
この投票で実行委員長と実行委員メンバーを決めます。
副実行委員長は推薦されてなくても
実行委員長になった方の指名制にします。」
うーん…。
真っ先に思いついたのは琉奈ちゃんだけど、
彼女は部活のキャプテンになる予定だから
名前を書くことはできない。
仲良くない人を書くのは気が引けるし、ここは仕方ない。
風越 諒
諒くんの名前を書いて、紙を2回折って提出する。