欠けてるあなたが大好きです。

教卓には今日決めるものが箇条書きされた紙があった。



決まっちゃったんだし、仕方ない。


腹をくくるか…。




「えっと…。まず副実行委員長ですが、

 諒くんにお願いします。」


「ま、そーなるよな。」


諒くんが前に出てきてくれる。


本人は勘づいてたみたい。





「咲雪、リーダーとかやったことあんの?」


「あるわけないよ…。」


小声で会話する。




「ま、適材適所しよーぜ。オレがしゃべるわ。」


そう言って箇条書きの紙とシャーペンを渡してくる。





「んじゃまず決めること黒板にばーーっと書くわ。

 サクが。」


「おれ!?」


「ほら山﨑朔太朗ー。実行委員だろー?」




朔くんも前に出てきて、

わたしから箇条書きされた紙を受け取り、

黒板に写していく。



意外なことに

雑そうな朔くんはすごく美しい文字を書いていく。







内容は主に体育祭の競技。



煌友祭では全校生徒が集まってやる競技はない。



2つある体育館と小体育館、

そしてグラウンドとテニスコートに分散して行われる。




競技はバスケ、バレー、卓球、

ゲートボール、テニスの5競技。



ゲートボール以外は部活が存在するけど、

部活と同じ競技にはチームにつき1人しか出られない。




わたしは去年ゲートボールをやった。



ゲートボールっていうのはゴルフみたいなスポーツで、

3つのゲートを順々に通って最後はポールにあてるんだ。


ゲートをくぐったりポールにあてたりすると

ポイントが加点されて、

制限時間内にたくさんのポイントを稼いだチームの勝利。



相手チームを邪魔することもできるから、

いかに自分たちがゲートを通り、

相手には通らせないようにするかがカギ。




運動が苦手な人のために採用された競技だけど、

みんな作戦とかしっかり考えてたり、

参謀長官?みたいな人も出てきたりしておもしろかった。






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