欠けてるあなたが大好きです。
その日の放課後。
さっそく実行委員は居残りとなった。
教室にいるのはわたし、諒くん、水谷くんの3人。
「あれ?朔くんは?」
「部活あるから居残りはさせねーことにした。
代わりに他の仕事押しつける。」
「いやぁ、ほんとに強いクラスですなぁ。
山﨑くんの力も使えるなんて。」
「朔くんすごいの?」
「彼はものすごく手先が器用なんですよ。」
「へ〜。」
力仕事なイメージだったけど、違ったらしい。
確かにすごくきれいな字を書いてたなぁ。
「んで?
水谷はなんでオレら集めたんだ?」
「コスプレの中身の候補を決めようと思いまして。
女性用衣装も用意してきました。」
大きめの紙袋が4つ出される。
「すごい荷物だね…。」
「持ってきたのはわたくしの協力者ですがな。」
「協力者?」
「ほら、水谷に5票入ってただろ?
あれ最初っから仕組んであったんだよ。な?」
「はい。予想通りの展開になってよかったです。」
協力者が4人いて、
水谷くんは自分で自分に投票したってことかな?
それなら立候補すればいいんじゃ…?