欠けてるあなたが大好きです。
「おかー。」
「た、ただいま…?」
諒くんと目が合い、話しかけられる。
教室には諒くん以外いなくなっていた。
「さっきの写真、
クラスグルにアルバム作ったってよ。」
「え!?」
スマホを急いで確認する。
水谷くんと思われるアカウントが
アルバムを作成したと通知が表示されていた。
通知を2回タップすると、
20枚弱の写真のアルバムが開かれた。
同じポーズとアングルの写真が2枚ずつあって、
1枚は加工されてない普通ので、
もう1枚は目が大きく
顔の輪郭がほっそりするように加工された写真。
「オレ明日のバイトでみんなに見せるわ〜。」
「えっ!やだやだやだやだ…!」
こんな恥ずかしい格好、見せてほしくない!
しかもLead Sの人たちみんなイケメンだし!
何着ても似合っちゃう人たちに
こんな服が浮いてる写真見せないで…!
「でもどのみち煌友祭にみんな来るぞ?」
「わたし裏方するからいいもん…!」
去年だって2日間ずっとごはん作ってたし!
「いやいや、
咲雪とオレがメインスタッフになるからな?
そもそも咲雪が裏方するって言っても
多分水谷たちがやらせてくれねーよ?」
「うそ…。そんなぁ…。」
当日休んじゃおうかな…。
でも一応実行委員長なっちゃったし…。
はぁ…とため息をつく。
「あ、あと
これからめちゃくちゃ忙しくなるから覚悟しとけよ?」
「…。」
「さっき水谷と話したけど、
多分咲雪の仕事量が圧倒的に多くなる。」
「…どして?」
「まぁそれはまた今度な。
まだ分担したわけじゃねーし。」
むむ…。
なんか諒くん中心でまわってる。
わたし実行委員長ならなくてよかったんじゃ…?
脳裏をよぎる疑問を払拭しながら、
わたしはおうちに帰ったのだった。