同じ人を好きになるなんて
だけど……

「ごめんね。お弁当もうできちゃったの」

するとりっくんは「えー?」と心底残念がる。

「だけど遠足に行ったらお楽しみも増えるんじゃない?りっくんのリクエスト以外にもたくさん作ったのよ」

りっくんの顔がぱあっと明るくなる。

「うん!わかった。でもお手伝いしたかったな〜」

やはりごまかしはきかないのかな?

「じゃあ、りっくんにお願いがあります。もうすぐ朝ごはんだから陸パパを起こしてくれますか?」

お願い事をされたのが嬉しかったのか「はい!」と手をあげてりっくんは階段を駆け上がっていった。



支度を整えたりっくんは早く保育園に行きたくて仕方がないのか陸斗に「あと何分?」を繰り返していた。

私は忘れ物がないか最終確認を済ませ玄関先に荷物を置いた。

だが帽子を忘れたことに気づきリビングに戻った。

「おーい。そろそろ行こうか」

玄関先で陸斗が私を呼んだ。

「はーい」
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