同じ人を好きになるなんて
陸斗が気になるのかもしれないけど流石にこれはない。

「陸斗?」

陸斗も私と同じ考えだったのだろう。大きく頷くとりっくんの手を取った。

私もりっくんの手を取る。

「理人、今からあっちの観覧車に向かってダッシュするぞ。まゆりもいいか?」

「うん!」

りっくんの返事に合わせる様に私は頷いた。

そして陸斗の合図に合わせ、私たち三人は手を繋ぎながら走り出した。

もちろん、りっくんとの身長差があるんで全速力ではないが、私もりっくんも陸斗も
笑顔だった。


いくつかの乗り物を乗りながら私はスマホのカメラで陸斗とりっくんの写真をたくさん撮った。

普段仕事で2人の時間があまり取れていないけど、一緒に過ごした思い出を残したかった。


お昼になりお弁当箱のフタを開けるとりっくんは、真っ先に唐揚げを取った。

そして美味しそうにおにぎりと唐揚げを交互に食べる。

誰よりも先に食べ終えたりっくんは、バスで隣同士だった男の子と目の前の芝生で遊び始めた。
< 113 / 204 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop