同じ人を好きになるなんて
遠足が思った以上に疲れたのだろう。

夕飯後、一緒にお風呂に入ったが半分眠っていたりっくん。

お風呂から出ても眠そうなので陸斗にりっくんの着替えを頼んだ。

それから私がりっくんを寝かしつけたのだが、ベッドに入った途端すぐに寝息を立てた。

最初は遠足に消極的だった私だけど、りっくんの楽しそうな笑顔を見て参加してよかったと思いながら眠っているりっくんの頭を優しく撫でた。

一階におりるとちょうど陸斗がお風呂を出たところで、タオルで頭を乾かしていた。

「理人は?」

「もうぐっすり。よっぽど疲れたのね」

陸斗はクスッと笑いながら冷蔵庫から缶ビールを2缶取り出し、1缶を私に差し出した。

「あ、ありがとう」

陸斗はソファにドカッと座ると私に手招きをした。

「そんなとこに立ってないでこっち来いよ」

「え?……でも」

私は一応ここの家政婦だからと躊躇するも陸斗が「早くこっちに」と急かす。
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