同じ人を好きになるなんて
朝食の用意ができると二人を起こすため2階に行く。

そして陸斗の部屋のドアの前に立ちノックをするとガチャっとドアが開いた。

いつもは何度もノックしてそれでも起きない時はわざとカーテンを開けて起こすのだが今日は珍しく自発的に起きたようだ。

だけど昨日のこともありまともに顔が見られない。

「あ、朝ごはん……できました」

だけど陸斗の反応がない。

私たちとの距離は数十センチ。

なんで返事してくれないの?私はもう一度言おうと顔を上げたその時。

チュッ

唇に当たったのは陸斗の唇だった。

あんなに悶々としてこの先どうしたら良いのかって悩んでいる矢先にこの男は懲りもせず私にキスをした。

「り、陸斗!」

陸斗は満足そうと言うかしてやったりというか……口角を上げて私を見ていた。

「歯磨き粉の味」
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