同じ人を好きになるなんて
予想外の言葉に私の顔がカッと熱くなる。

すると陸斗が追い打ちをかけるようにりっくんと目線を合わせ「そうだよ。ラブラブなんだよ」と返した。

否定しなきゃ!

「ちょ、ちょっと!」と声を上げるとまたもや陸斗の目が余計なことを言うなと言っている。

なんでそうなるの?

そんな中、りっくんは嬉しそうにピョンピョンとその場で跳ねるように飛んでいる。

「やった〜やった〜」

りっくんのやった〜の意味がよくわからず私は複雑な思いでりっくんを見ていた。


りっくんを保育園へ送り届け、家に帰ると陸斗の姿はなかった。

靴がないことに安堵のため息が漏れた。

昨夜から今朝の出来事の整理がつかない。

と思うと同時に、私の知っている陸斗はこんなにも積極的ではなかった。

五年と言う時の流れが人格さえも変えてしまうものだろうか……。
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