同じ人を好きになるなんて
その日の夜、陸斗が帰ってきたのはりっくんを寝かしつけた後だった。

できればりっくんが起きている間に帰ってきてほしかった。

今、二人きりで過ごす時間が一番危険な気がしたからだ。

だが、21時ごろ陸斗から《帰りが遅くなる。先に寝てていいよ》とメールがきた。

今まで……と言っても約1ヶ月半ほどだが、こんなメールは一度もなかった。

もしかして仕事が忙しいのかな?

私は一旦、おかずを冷蔵庫にしまった。

22時までリビングでテレビを見ていたが、先に寝ていいよっていってたし、そもそも私は家政婦なんだからやることさえやれば別に待っていなくてもいいわけで……陸斗を待ている必要はない。

私はソファから立ち上げると大きく伸びをして、テーブルの上にメモを残して2階の自室へと向かった。
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