同じ人を好きになるなんて
繋いでない方の手で1階の照明を落とし、階段の途中でもキスをした。

掃除以外では入ったことのない陸斗の部屋に入ると大きなベッドに誘導されそのまま私は仰向けになった。

陸斗は覆いかぶさるように上から私を見下ろしていた。

「あのさ、最初に謝っておくよ」

「え?何を」

すると陸斗が心底嬉しそうに目を細めた。

「多分、抑えきが効かないから……」

そう言って私の返事を待たずに陸斗は私の首筋にキスを落とした。

キスはゆっくりと時間をかけて下へおりてきた。

そして陸斗の手が私の存在を確かめるように直に触る。

私の身体を知り尽くしている陸斗の意地悪な手が私の敏感なところを刺激する。

次第に息遣いは激しさを増す。

だけど向かい側の部屋でりっくんが眠っているので私は必死に声を我慢した。

「んっ…んんっ」

だけど陸斗はそんな私に「我慢するな。ちゃんと声を聞かせて」と囁く。

そんな甘ったるく掠れた声にも私は敏感に反応してしまい、困ってしまう。

「だって……りっくんが」

これ以上を声を漏らしたくなて口を手で押さえる。

「大丈夫。あいつは起きないよ。だから聞かせてくれ」
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