同じ人を好きになるなんて
冷蔵庫から食材を出し、最後の料理を始めた。

チンしたらすぐたべれるように保存の効くもの。

あとはりっくんが美味しいと言ってくれたカレーを作る。

作ってる間に乾いた洗濯物を取り込んだ。

だけど二人の衣服を見たら涙がこみ上げてきた。

りっくんと一緒に入ったお風呂。

そういえば陸斗に裸を見られて風呂場に逃げてのぼせたっけ。

一緒に親子遠足に行って本当の家族のような体験をしたっけ。

送り迎えでのママさんたちの鋭い視線も今じゃ思い出の一つ。

とても濃厚な日々を過ごした。

だけどそれも今日でおしまい。


私は部屋を見渡すと一礼をして玄関へと向かった。

そして靴を履き、キャリーケースに手をかけたその時だった。

ガチャ

玄関の戸が開いた。

陸斗とりっくん。そして凛子さんが立っていた。
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