同じ人を好きになるなんて
意外な真実
陸斗は私を見てかなり驚いた様子で見ている。

「お前……何やってんの？」

私は鯉の口のようにパクパクしながら言葉を探した。

でも家を出る以外の言葉が見つからない。

だがそんなことよりなんでこんなに早いの？

そっちの方が驚きだった。

「なあ、もしかしてここを出てくなんて馬鹿なこと考えてるんじゃないだろうな？」

いつになく厳しい口調だった。

でも私は何をどうこたえたらいいのかわからない。

だって凛子さんが目の前にいるのよ。

私は小さく深呼吸をした。

「すみません、新しい就職先ができたので家政婦をやめさせてください」

私は勢いよく頭を下げた。

「まゆりお姉ちゃんどこに行くの？」

りっくんの不安そうな声が聞こえる。

「お前冗談も大概にしろよ！俺は許さない。お前をどこにも行かせないって言っただろ？」

私だってそうしたかった。

でも凛子さんがいる前でなんでこんなこと言うの？

まさか愛人を公認させるため？

もういやだ。こんなの辛すぎる。

すると今まで黙っていた凛子さんが初めて口を開いた。

「ねえ、どうなってんの？これ」
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