同じ人を好きになるなんて
「ごめん。本当にごめん」

リビングのソファに座る私の前で深々と頭を下げるのは陸斗。

「我が弟ながら恥ずかしすぎる」

呆れ返る凛子さんは私の隣に座っている。

りっくんは凛子さんのお土産のおもちゃに夢中だった。

落ち着いてから話を聞くと凛子さんは陸斗のお姉さん「RINKO」と言う名前で活動しているフリーカメラマン。

一年の３分の２を海外で過ごしている。

凛子さんには旦那さんもいてりっくんの本当のお父さんだ。

彼は南極観測隊で今もまだ南極にいる。帰国は半年後。

そんな多忙な両親を持つりっくんは叔父でる陸斗が期間限定で預かっていたと言うのだ。

りっくんは陸斗の小さい頃にそっくりなので父親といってもなんら違和感がなかったので保育園では父親ということにしたのだそうだ。

このことを知っているのは園長先生だけ。

初めて知らされる真実に私は頭がついていけなかった。
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