同じ人を好きになるなんて
「ここどこ?」

車を降りて周りを見渡すと家の後ろには木が生い茂っている。

横には数件の家があるが明かりはついていない。

「ん?一応別荘というのかな?仕事で行き詰まったりするとよく陸斗と一緒にここで現実逃避してたんだよ」

知らなかった。

それにしてもすごく可愛い。

まるで絵本に出てきそうなお家。

赤い屋根に白い壁ま。窓枠も玄関のドアまでもが赤い。

「かわいすぎる」

「そういうと思った。実はこれ理人のアイデアなんだ。といってもあいつ戦隊ヒーロのレッドが好きという理由で赤がいいの一点張りだったんだよ。でもこんなに喜んでもらえるなら理人さまさまだな」

いや、本当に可愛い。

すると陸斗が玄関のドアを開けた。

部屋の中は1階がLDKで2階に1部屋の決して大きくない家だけど木の香りと落ち着く雰囲気に私はすぐに気に入ってしまった。

「こっちきて」

陸斗がサッシを開けるとそこはウッドデッキがあるのだけれど、驚いたのはそこにお風呂があったのだ。

「何これ露天風呂?」

「そう。実はこれも理人のリクエスト。最初はプールを作ってっていったんだけどアメリカの金持ちじゃあるまいしプールなんか作れないからその代わりにお風呂を作ったんだ」

聞けばなんでもりっくんりっくん。

本当に大好きなんだろうな。

「どうかしたか?」

「ううん。陸斗は本当にりっくんが好きなんだなって……ちょっと妬けちゃった」

だが陸斗はその言葉に反応した。
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